アクトス(武田薬品)と膀胱癌の発生リスクについて

先日、患者さんから、アクトスの米国での訴訟の件について、「なんか武田薬品の糖尿の薬で癌の増えて訴訟になるっていうのがあったとやろ。知っとるね?アメリカでは3300億支払って和解てばい。まだ立証はされとらんばってん、支払ったっていうことはなんかあるとやろうね。俺は飲んどらんばってん。怖かねぇ」、と聞かれたんですが、平静を保ちながら(本当は内心恥ずかしい気持ちで一杯w)、

「いえ、薄っすらと記憶にはありますが、よく知らないです。」と言ってしまった…orz

久しぶりに患者さんと話してて、「知らない」ってことに突き当たったぜ;

と、いうわけで、今回、完全に調べて参りました。

…あ、全部書くと長すぎるんで、要点だけにしますwww

アクトスの膀胱癌発癌リスクはハザード比約1.2〜1.4(薬事・食品衛生協議会より)

・膀胱癌全体の患者数は2015年時点で約21000人(国立癌研究センターより)

・日本の人口は2016年現在で約1億2700万人(総務省統計局より)

・よって、現在の膀胱癌患者は、21000/127000000×10万=16.53人/10万人

・つまり、アクトスによって膀胱癌になる人は、16.53×(1.2-1.0)〜(1.4-1.0)=3.30〜6.614人/10万 増える。(すいません、膀胱癌患者21000人の中にはずっと罹患している人もいるため、もっと下がることになりますね。)

と、いうことになる。

ちなみに、喫煙による膀胱癌のハザード比は、約2.0だそうです。(予防研究センターより)(他のサイトもいろいろ巡っても1.5ぐらいでした)

結論:アクトスを飲んでも10万人中5人ぐらい(もっと少ないかも)しか増えない。アクトスよりタバコの方が危険度高い。

なので、アクトス新規処方の際には、胸を張ってご安心ください!と言えます(笑)

P.S 武田薬品が賠償金を多額に払ったのは、訴訟されてる状況が長く続くと、企業イメージも下がり、処理に割かれる人件費から考えてもさっさと賠償金を払って解決した方が得策、と考えたからだそうです。(これ、どこからのソースか調べなおすのめんどくさいwけど、ニュースで検索したら普通に書いてあります。)

さすが天下の武田薬品(´・ω・`)ふぁいとー